Chapter23「報告書」
20日。
朝起きてすぐ昨日取れなかった夜行列車のチケットを取りにいく。
ガヤ行きとガヤからヴァラナシのムガル・サライ駅行きのチケットを無事取ることができた。
僕らが取ったのは21日夜22時半発の夜行列車の2等寝台で、一人1400ルピーだ。
スターパレスゲストハウスに戻ろうとメイン・バザールを歩いていたら、バグワンダスに偶然出くわした。
「Hey」
おそらく僕らが昨日約束の場所に現れなかったので探していたのだろう。
僕らはバグワンダスの問いかけを無視したが、泊まっているホテルがわれるとまずいのでスターパレスゲストハウスを通りすぎ、アジャイゲストハウスのレストランに向かった。
今日は報告書を書かなければならない。
きのうナラヤン家で裁判の話になったことはすでに触れた。
もともと僕はインドに着いた14日から日記を付けていたのだが、あまりに書くことが多すぎるのと日中の精神的疲労で、17日の途中で日記は中断してしまっていた。
そのことを洋子さんたちに話したかどうかは忘れたが、とにかく訴訟を起こすかどうかの参考にするために、事件の概要を報告書として書いてくれと洋子さんたちに頼まれたのだ。
スターパレスでもらったファックス用紙に14日からの出来事を思い出しながら書いていったのだが、なるべく簡潔に書こうと思ってもどうしても膨大な枚数になってしまう。
僕はなるべくその時の感情などは割愛し、事実だけを書くように気をつけた。

【注】裏インド旅行記のもとになった16枚のレポート
「このあとどうする?」
ぬるいコーラを飲みながら報告書を書いていたがちょっと疲れてきた。
「コンノート・プレイスでも歩いてみるか」
今日でデリーに着いて7日目になるが、実のところまだ僕らは自分たちの足でデリーを歩いたことがなかった。
15日にコンノート・プレイスにきた時は重いバックパックを背負っていたが今回は身軽だ。
あの時は白かった肌も今はこんがりと日焼けしていて、少しはインドの風景に馴染んだに違いない。
そして何より今は自由を感じる。
相変わらずやってくる「トモダチ」も気にならなくなってきた。
グルッとコンノートを一周して大体の地理をつかんだあと、僕らはスターパレスに戻った。
報告書の提出期限は明日の20時だ。
明日は一日ホテルで報告書を書かなければ。
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